Britechester大学 #2
サークルに入るか、入らないか。
そんな簡単なこともすぐ決められないまま、あれから数日が経った日のこと。
『は~…あの教授の話し方ってつい眠くなっちゃうんだよね………』
あ…あの綺麗な人って確かディベート・ギルドの………、
つい先日、Britechester大学のラウンジに寄ってみたらサークル【ディベート・ギルド】の人たちが、討論会を開催中だった。私はその時、ちょっと興味本位で覗いてみたんだよね。
メンバーの人たちは皆それぞれ自分の主張を壇上で自信を持って発言してたんだけど、その中でも人一倍輝いてたのは彼女、ジェナ。
ジェナは美人だし成績も優秀っていうことでこの大学の生徒だったら誰でも知ってるようなとても有名な女の子だったから、当然私も彼女のことは知ってた。
実は同じ寮に住んでるしね。彼女が私の存在に気付いているのどうかは分からないけど。(彼女、いつも忙しそうにしているし)
ジェナの主張は根拠を幾つも示して、観客を納得させるものだった。
その上、私が彼女の主張に圧倒されたのはその内から湧き出る自信が溢れていたから。
そもそも自己主張さえ苦手な私はディベートなんて昔から大の苦手で、出来る限り避けて通りたい道だった。クラスでするディベート大会の日さえ朝からお腹が痛くなったり…。
だから討論を見たのも、ほんの気紛れ。そんなつもりだし、彼女みたいなタイプの人って、私が憧れるのもおこがましい感じの別世界の人。そんな感覚だったの。
その時もただ”すごいなー”っていう感想で。
「あら?あなた先日の討論会、見に来てくれてたよね?」
『えっ?!……は、はい』
だから、まさかあのジェナから話し掛けられるなんて、それも私が来てたの知ってたなんてビックリした。
『覚えてたんだ…ありがとう』
「だってあなたもワイバーン寮の子でしょ?顔を見たら分かるわ。あっゴメン名前…何だったっけ?」
『初めましてだよね、私はケイトよ。ケイト・コーエン』
「私は、」
『ジェナだよね。知ってる。あなた有名人だもん』
「そう?そんなつもり、無いんだけどね。それより、ケイトもディベート・ギルドに興味があるの?だから来てたんだよね?」
『えっ?!たまたまだよ!たまたま行ったの…討論会が開催されてるなーって。覗いただけ…』
「なんだ~ガッカリ。熱心に聞いてたように見えたから、興味が有るのかと。だから、今度見掛けたら声を掛けてみようかなって思ってたから」
『ごめんね、ディベート苦手なの。だから私には無理よ』
プレゼンの期限が近付いてたから、バーニー先輩にフィードバックをお願いした。専門分野が違うけど、嫌々ながら付き合ってくれる先輩。意外と優しいんだよね。
『先輩お願いします~~~頼める人が他に居ないんです!』
「友達作れよ」
『今言われても遅いんです』
「うーん、ここもうちょっと詳しく書いた方が良いんじゃないか?注釈入れてさ」
『なるほどなるほど!他には?』
「お前は俺のフィードバックより、プレゼンで喋る練習をもっとした方が良いと思う」
『え?』
「そもそも論だけど、プレゼンは資料も大切だけどソレ説明するのも大切だし友達も居ないってんじゃ…」
『先輩はもっとオブラートに包んだ言い方を勉強した方が良いと思いますよ。図星なのでちょっと傷付きましたし、先輩がお友達と話してるところ見たこと無いデス』
「俺のことは良いんだよ」
『?!』
「もっと傷付いて本腰入れた方が良いぞ」
『先輩ってドエスなんですか?』
「もっと言って欲しいの?」
『冗談ですってば』
バーニー先輩とそんな悪ふざけをし合いつつも先輩は的確なアドバイスをしてくれて、授業があるからって走って行った。
ロボットの彼に会うたびに、
次の日の朝。私は大学のラウンジに行って猛勉強。寮より集中して勉強出来るから。だって今日は試験日なの。緊張する。
朝はここで食事をすることにした。
スクランブルエッグとベーコン。
寮より質素だけど、朝食べるのなんて普通はこれくらいのボリュームで、寮が多過ぎるだけなんだよねって気付かされる。寮の食事に慣れたら先輩みたいに太りそう。
まだ朝早くて誰も居ないラウンジの食事スペース。まるで私の貸し切りみたい。
大学に入って初めての試験!頑張ります!
ハァ…疲れた………。
まだあと一つ今日は入ってるんだよね。まだ、ここで倒れてちゃダメよケイト!
『えーっと………教科書見返しておこ…』
「試験?」
『そうなんですよ。私、学費は全額免除されてる奨学生なので絶対落とすわけにはいかないんです』
「へー、成績良かったんだ」
『高校生までは良かったんです。今は上には上が居るんだなっていう現実を見てるところです』
「クスッ(笑)お前ってほんと面白いな」
ただの変な後輩だし、ただ懐かれてるだけだし、ただ利用されてるだけのような気もするけど。話す度にアイツのペースに乗せられてる感覚、気持ち悪いっていうか…。
そんな簡単なこともすぐ決められないまま、あれから数日が経った日のこと。
『は~…あの教授の話し方ってつい眠くなっちゃうんだよね………』
あ…あの綺麗な人って確かディベート・ギルドの………、
つい先日、Britechester大学のラウンジに寄ってみたらサークル【ディベート・ギルド】の人たちが、討論会を開催中だった。私はその時、ちょっと興味本位で覗いてみたんだよね。
メンバーの人たちは皆それぞれ自分の主張を壇上で自信を持って発言してたんだけど、その中でも人一倍輝いてたのは彼女、ジェナ。
ジェナは美人だし成績も優秀っていうことでこの大学の生徒だったら誰でも知ってるようなとても有名な女の子だったから、当然私も彼女のことは知ってた。
実は同じ寮に住んでるしね。彼女が私の存在に気付いているのどうかは分からないけど。(彼女、いつも忙しそうにしているし)
ジェナの主張は根拠を幾つも示して、観客を納得させるものだった。
その上、私が彼女の主張に圧倒されたのはその内から湧き出る自信が溢れていたから。
そもそも自己主張さえ苦手な私はディベートなんて昔から大の苦手で、出来る限り避けて通りたい道だった。クラスでするディベート大会の日さえ朝からお腹が痛くなったり…。
だから討論を見たのも、ほんの気紛れ。そんなつもりだし、彼女みたいなタイプの人って、私が憧れるのもおこがましい感じの別世界の人。そんな感覚だったの。
その時もただ”すごいなー”っていう感想で。
「あら?あなた先日の討論会、見に来てくれてたよね?」
『えっ?!……は、はい』
だから、まさかあのジェナから話し掛けられるなんて、それも私が来てたの知ってたなんてビックリした。
『覚えてたんだ…ありがとう』
「だってあなたもワイバーン寮の子でしょ?顔を見たら分かるわ。あっゴメン名前…何だったっけ?」
『初めましてだよね、私はケイトよ。ケイト・コーエン』
「私は、」
『ジェナだよね。知ってる。あなた有名人だもん』
『えっ?!たまたまだよ!たまたま行ったの…討論会が開催されてるなーって。覗いただけ…』
「なんだ~ガッカリ。熱心に聞いてたように見えたから、興味が有るのかと。だから、今度見掛けたら声を掛けてみようかなって思ってたから」
『ごめんね、ディベート苦手なの。だから私には無理よ』
『そもそも自分の意見を主張することも苦手なんだ』
「じゃあ、尚更ディベート・ギルドはあなたの役に立つと思うわ。自分を変えたいと思わない?私は将来裁判官になりたいから、スキルを磨きたくて頑張ってるの」
『そうなんだ…』
「それじゃあ、また今度サークルで討論会があるから誘うわ。これから講義だから、またね」
『うん、またね』
ヤバい…断れなかった…。
いや、でも行ったからって入るわけじゃないし…ね。
私が人前で自分の主張を展開する様子を想像…?
いやいや、そんなこと想像も出来ないよ!
人前に立つのだって苦手なのに。
無理無理、みんなに笑われて終わるんだから。
『先輩お願いします~~~頼める人が他に居ないんです!』
「友達作れよ」
『今言われても遅いんです』
「うーん、ここもうちょっと詳しく書いた方が良いんじゃないか?注釈入れてさ」
『なるほどなるほど!他には?』
「お前は俺のフィードバックより、プレゼンで喋る練習をもっとした方が良いと思う」
『え?』
「そもそも論だけど、プレゼンは資料も大切だけどソレ説明するのも大切だし友達も居ないってんじゃ…」
『先輩はもっとオブラートに包んだ言い方を勉強した方が良いと思いますよ。図星なのでちょっと傷付きましたし、先輩がお友達と話してるところ見たこと無いデス』
「俺のことは良いんだよ」
『?!』
「もっと傷付いて本腰入れた方が良いぞ」
『先輩ってドエスなんですか?』
「もっと言って欲しいの?」
『冗談ですってば』
バーニー先輩とそんな悪ふざけをし合いつつも先輩は的確なアドバイスをしてくれて、授業があるからって走って行った。
先輩の言うことは理に適って居て、確かに私は喋ること自体の方が苦手。資料の作成なんかはどちらかと言えば得意な方だし。
やっぱり考えちゃうな。ディベート・ギルド………勇気を出してここに入るべきなの?
皆の顔が彼みたいに感情が現れてたら分かりやすくて良いのにって思うんだよね。
朝はここで食事をすることにした。
スクランブルエッグとベーコン。
寮より質素だけど、朝食べるのなんて普通はこれくらいのボリュームで、寮が多過ぎるだけなんだよねって気付かされる。寮の食事に慣れたら先輩みたいに太りそう。
まだ朝早くて誰も居ないラウンジの食事スペース。まるで私の貸し切りみたい。
大学に入って初めての試験!頑張ります!
ハァ…疲れた………。
『えーっと………教科書見返しておこ…』
カチャッ
『あ。先輩』
「何難しい顔してるのかと思って」
『そうなんですよ。私、学費は全額免除されてる奨学生なので絶対落とすわけにはいかないんです』
「へー、成績良かったんだ」
『高校生までは良かったんです。今は上には上が居るんだなっていう現実を見てるところです』
「クスッ(笑)お前ってほんと面白いな」
『面白い…?私は本気ですけど』
「いや、こっちの話。まぁ、頑張れよ」
「あーもう!変な奴」
パシュッ
【つづく】
2話目になりました。単位を【話目】にして良いのかな?という疑問もありつつ(笑)
新年の抱負でストーリーっぽいものを今年はしてみたいな、と言ってたのを早速実現させてるのでは??と今更気付きました。実際は他のシマーさんがされてるような立派なストーリーと比べるとストーリーとは言えないような作りですけど(^-^;行き当たりばったり感が凄い。
今後は今回登場したジェナを含めてもっと色んなシムの登場人物を増やして行きたいなと思ってます。
宜しければ、またお付き合い頂けたら嬉しいデス。見て頂いてありがとうございました。
Britechester大学 #2
Reviewed by 青山
on
1月 20, 2020
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